近頃、「逆走うんこ野郎」や「歩道をロードで爆走すっとこ野郎」が増えている気がする。なんとなく「野郎」と表現したが、女性のすっとこうんこちゃんも多く見かける。
血気盛んな自転車ボーイであった以前のぼくであれば、そういった不届き者にはすれ違いざまの顔面にグーをお見舞いしてやっていたところだ(本気にするなよ)。
しかし、不惑を迎え「明鏡止水おじさん」となった最近のぼくはもはやそのようなことはしない。せいぜい「なんで逆走してんのー!?それ逆走だよー!」「その速度なら歩道じゃなくて車道走ろうよー!危ないからさー!」と大声で諭す程度にとどまっている。
こうしたすっとこうんこ野郎に一度のライド(約2時間)につき一度は遭遇している。たまたま不運が続いているだけだろうと思っていたのだが、某自転車屋の店員ちゃんとの会話でこの謎が解けた。
彼曰く、「最近、自転車が売れに売れてるんすよ。」と。
例の疫病の影響で電車通勤から自転車通勤に切りかえる労働者が増え、電動アシスト自転車などが売れまくって笑いがとまらぬ無限ホクホク状態だという。
その流れで、比較的他者と接近する機会の少ないスポーツバイクをレジャーやフィットネスとして楽しむ人々も増加しているらしい。……「だという」とか「らしい」とか、全体的にふわっとしているのは、その店員ちゃん一人から聞いただけの話だからだ。
しかし、その情報が正しいとすると昨今のこの「逆走自転車うんこ野郎」たちの増加にもなんとなく合点がいく。要は、自転車に親しむ者が増えるとともに、なんの覚悟もなく「徒歩の延長」として自転車を運転していやがるならず者も増えてしまっているのだろう。
自転車というものは、道路交通法上の「軽車両」に位置付けられているものだ。ちゃんとしなければならないのだ。
そういうわけで、皆もこのようなすっとこうんこ野郎を見かけたら、デカめの音量で注意してあげよう。「なんで逆走してんのー!?」と。