最近プレイしたビデオゲームについて、その印象を記す。言語として日本語を選べるものについては、ローカライズ品質の程度が伝わりそうなスクリーンショットを選んだ。
Keep Driving

ビデオゲーム業界で最も権威ある賞とされる「Junchan Game of the Year」、通称「JGOTY」の最有力候補。Junchanというのはぼくのことであり、ぼくがその年の最も優れたタイトルに差し上げる名誉ある賞だ。
ある若者がクルマで旅をしながら、その道中で出逢うヒッチハイカーたちとちょっとした物語を綴っていく80年代ロードムービー風ローグライクカードバトルRPG。
「クルマで旅をするゲームを作ろう」となるとどうですか?一人称視点で運転するドライブシミュレータ風で、行く先々で出逢う人々との会話では選択肢を選ぶアドベンチャーゲーム風で、みたいなものを想像すると思う。それを本作の制作者らは「ローグライクなカードバトルRPGにしよう」と思ったわけだ。まずこの発想力と独創性に感心した。
本作が優れたものであることに疑いの余地はないが、カードバトル部分については賛否あるかもしれない。どこかの国のコミュニティを覗くと、このカードバトル部分に対する不満が稀に見られる。地味だとかイライラするだとかね。

たしかに本作のバトルというものはお金や経験値を得るためのものではなく、燃料や車体の耐久力が減らないようにするためのものであるため、しょぼスキルしかない序盤はフラストレーションが溜まるかもしれない。プラスにするためのバトルではなく、マイナスにならないようにするバトル、といえば伝わるかな。
でもまあ、そこはたいした問題ではないだろう。なぜなら本作の見どころはカードバトル部分ではなく、美しいピクセルアートやイカしたBGMによって鮮やかに描かれる「若者のひと夏の冒険」的なアレだからだ。アレっていうのはまあなんというか雰囲気とか空気感というか、アトモスフィア的な?そういうやつよ。これがもうぼくの琴線に触れまくりよ。
そして日本語ローカライズもほぼ言うことなしの出来。参考までに日本語テキストサンプルを貼っておく。



実績全解除まで30時間程度。すべてのエンディングを観たあとのトゥルーエンド(?)的なエピローグも洒落ている。
これはおすすめ。買え。
Taxi Life: A City Driving Simulator

7、8年前に『Euro Truck Simulator 2』をプレイしていた。大変に有名なタイトルであるため説明の必要はないかもしれないが、トラックに貨物を載せてただひたすら欧州の国々を走るというものだ。
ぼくがこれをプレイしていて気になったのはどこの街へ行っても「全くの無人」であったところ。街の建造物は無傷のまま何らかのウイルスによって人類が死滅した世界を走っているようで、どうにも味気なくてプレイしなくなってしまった。
ぼく的には人々の息づかい、街の喧騒みたいなものが欲しかったのよね。「生きた街」を走りたかったわけ。
で、そんなぼくの理想を叶えてくれそうだということで期待していたのがこの『Taxi Life: A City Driving Simulator』。バルセロナの街を舞台にタクシードライバーとして客を乗せ走るというものだ。
しかしいざ発売されてみると評価は芳しくない。
正直なところ、Steam上の評価というものはそこまであてにはならない。特に日本のパブリッシャーによる大作和ゲーみたいな「ぼうや向け」のタイトルに関してはその傾向が顕著だ。
しかし、本作のような「おじ向け」「大人向け」のものについてはそこそこ信頼できるかなと感じている(もちろん例外もあるけれどもね)。
で、そのSteamにおける2025年11月16日現在の評価が「賛否両論」。わかっているとは思うが、Steamでこの「賛否両論」という評価はかなり悪い。
こういった評価がついてしまうと、低評価→売上伸びず→パブ&デベともに損切り方向へ舵取り→これ以上のブラッシュアップは見込めず→さらに低評価へ、という悪循環に陥りがち。
そんな感じでダメそうかなと思い購入を見送っていたのだけれど、なんとなく魔が差してつい最近購入してしまった。まあ千数百円程度でしたし。
想像していたよりは悪くない。ただ、己のクルマの挙動が軽すぎて嘘くさいのと、何もない場所でNPCのクルマが立ち往生して渋滞が発生したりするところが気になった。
あと、可走範囲というかマップ自体がかなり狭い。数時間しかプレイしていないにも関わらず「またこの景色か……」みたいなマンネリ感に襲われる。実際のタクシー運ちゃんも基本的には日々同じエリアで活動しているだろうからリアルではあるけれども、そこのリアリティはいらねえよと思ってしまった。
タクシードライバーシミュレータという競合の少ないニッチな分野であるから、デベロッパーが低評価に「なにくそ」と発奮して色々と改善してくれれば冒頭で触れた『ETS2』のようなロングセラーになれたかもしれないのになあ。惜しい感じ。


その他、最近プレイしたものいろいろ。
Black Book
全編に渡りロシア語の巻き舌を堪能できるカードバトルアドベンチャー。ローカライズ品質は高く、きちんと物語を楽しめるレベル。



The Artful Escape
楽しみにしていたのに、ダメダメ翻訳でがっかり。数時間でリタイア。
Killer Frequency
A Memoir Blue
Pacific Drive
SteamWorld Heist II
ローカライズ品質高し。おすすめ。



そして最近買ったもの。
Look Outside
以前にもここで述べたけれど、ファビュラスな出来であったら翻訳を打診しようと思っている。ちなみにまだインストールすらしていない。
Bloomtown: A Different Story
ほんの序盤のみプレイしてみたけれど、かなり良さそう。

Relic Guardian - Tower Defense
The Cosmic Wheel Sisterhood
あぁもうっ、早く遊ばないと冬セールが来ちゃうよぅ。
おわり