ぼくはZOZOTOWNをよく利用する。前社長の人間性についてはややアレではあるものの、サービス自体はとても便利だ。
で、そこで商品を品定めしていて思うことがある。「あれ?このブランドまだ継続してるの?」とか「これもう当初のデザイナーはとっくに関与してないよね?」とかそういう類のこと。要するに「これ、ライセンス商品だよね」というやつだ。
これは特にアウトドア系のブランドに顕著な感じ。本国ではとっくに消滅しているブランドの商標を日本のアパレル屋や商社が買い取り、中国やバングラデシュや或いは謎の国で生産された超絶粗悪な製品にそのブランドのロゴを貼っつけて売り出しているわけだ。
ぼくとしたことがしくじって一度だけその手のものを買ってしまったことがある。あるアウトドアブランドのお財布だ。届いたものを検品すると、宝島社の雑誌の付録の方がまだマシなんじゃねえかというスーパー低クオリティ。まさに粗製濫造極まりねえなという感じであった。
ここまで読んだおまえとかはきっとこう思っていることだろう。自転車の話じゃねえのかよ!と。
まあ待ってちょーよ。チョーヨンピルよ。一概に無関係とは言えないのだ。実はこれは自転車と微妙に関係のある話なのだ。
例えばミニベロの話。
Googleちゃんで「ミニベロ」と検索するとありとあらゆるブランドのおしゃれなミニベロが表示される。あらステキ!シャレオツだわあ!しかし、これの実に95%(ぼく調べ)が日本の代理店によるいわゆる「ライセンス商品」だ。
ナウなヤングにバカウケなBianchiのミニベロも、遵法精神皆無なキッズに大人気のMASIのミニベロも、BRUNOもFUJIもラレーも、ああもう何もかもライセンス商品じゃねえかクソがあ!!
ホンモノをくれよホンモノをよお!!ハァハァゼエゼエ……。
……違うのだ。「ライセンス商品」であることが悪なのではない。それ自体は決して悪でもなければうんこでもない。では何がうんこなのかと言うと、日本の代理店による企画車であるにも関わらず、それを隠して「イタリアブランドの自転車です!」だの「英国の伝統です!」みてえな顔をしてライトユーザーを騙くらかしていることがうんこなのだ。
挙げ句生産地すらも明記せずふわっとさせていたりする。
もちろん、店舗や代理店の人びとに尋ねれば、流石に正直に答えるだろう。でも「訊かれていないことをあえて伝える必要はない」という、不都合な事実を伝えない姿勢がうんこ極まりないのだ。
低賃金で働いている派遣労働者のパパが妻とこども二人を連れて自転車屋へやってきた。本当は外国車が欲しいけど軽のミニバンしか買えない。そこで目に入った自転車に「イタリアンブランド」のポップが貼られている。
(これなら俺にも買える……!外車オーナーになれる!)
パパは清水の舞台から飛び降りる思いでその「イタリアンブランドのミニベロ」を購入する。
「パパすごーい!外車だよ!外車!」「パパすごい!「しゅごいでちゅ!」、妻やこどもたちが尊敬の眼差しでパパを見つめている。
そうして意気揚々と持ち帰ったミニベロは、日本の代理店企画による中国製造のものなのであった……。
こんなの悲しすぎるだろうよ!良心の呵責というものはないのかよ自転車業界のやつらはよお!鬼かよ!
で、結局何を言いたいのかというと、「またミニベロが欲しくなってきたけれど買うべきものが見つからずまいっちんぐ」ということなのである。
所謂ミニベロではなく折り畳み自転車だけれど、無難にDAHONにしようかなあ。DAHONであればとりあえず安心だ。本国でもほぼ同じラインナップを展開しているからな。
……なに?アベちゃんが十万円くれるって?ちょうど良い、世間が落ち着いたらひとっ走り買いに行こうかなあ。