メゾン・ド・ふわふわ

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セルフプロデュースはほどほどに。

 セルフプロデュース、自己演出、または「キャラ付け」などとも言う。

 要は、自分自身で己を演出し、わかりやすい属性を付与することによってメディアなどへの売り込みに活かそうというやつ。

 芸能の世界では昔からよくある手法だ。

 落ち目のアイドルが唐突にテレビゲームやらアニメやらといったオタクちゃん文化に擦り寄って、彼らからの人気を得ようとしたり。

 仕事のない女性モデルがクルマやロードバイクといった所謂「男の趣味」の世界に媚へつらい、それ関係の仕事を得ようとしたり。

 或いは、よくわからない男性タレントが家事や育児に熱心であることをアピールし、世の女性たちからの支持を得ようとしたり。

 

 スポーツの世界でも稀に見かける。

 フィギュアスケートにおけるプーさんの彼。プロ野球のハンケチーフの彼。

 

 こうした自己演出は、今までは上に挙げたような芸能人やスポーツ選手だけのものだった。しかし、昨今のSNSブームによって、「普通の人々」の間でも行われるようになってしまった。TwitterInstagramを漁ればワラワラと出てくるだろう。

 例えば、店舗の壁面などに用いられているタイルをこよなく愛するというキャラの「タイルマニア」さん。エアコンの室外機にロマンを感じるという「エアコン室外機マニア」さん。ちなみに、これらは「実際にいそうだよな」というものをぼくが想像した架空の例だ。


 こうした人々は、「みんなー!私はこんなに面白いことをしていますよ!ユニークな存在ですよ!見つけてくださーい!フォローしていいねして私の承認欲求と自己顕示欲を満たしてくださーい!」「マスメディアの皆さん!ここにニュースバリューのある人物がいますよー!取材にきてくださーい!」と心の中で叫びながら、日々タイルや室外機の写真をアップし続ける。あわよくばテレビなどからの取材オファーが来るのではないかと淡い期待を抱きつつ。

 彼らは果たして InstagramTwitter がなかったとしてもタイルマニアやエアコン室外機マニアだったのだろうか。

 

 芸能人やスポーツ選手、そしてSNS上の人々。彼らの浅いセルフプロデュースなどマトモな目をした者であればたやすく看破できるわけで、これ以上恥をかかないためにも「自分自身の素の魅力で勝負した方がいいよ」と教えてあげたい。